チーズ(英語: Cheese, ドイツ語: Käse)
牛・水牛・羊・山羊・ヤクやらなんやらからとれる乳を原料とし、凝固や発酵やらなんやらの加工をしてつくられる食品(乳製品)の一種。
日本語での漢字表記は乾酪。
家畜の乳は古くから栄養価の高い食品として世界中のさまざまな民族に利用されてきたが、そのままでは保存性に欠ける上、液体のため運搬にも不便でおます。
これらの欠点を補うために水分を抜いて保存性と運搬性を高めたのがチーズの始まりでおます。
その起源は定かではないが、紀元前4000年ころには作られていたと考えられておる。
日本には、かつて蘇 「そ」と呼ばれるチーズと同様の食品が存在した。
乳にレンネット(凝乳酵素)または酸(食酢、レモン汁やらなんやら)を加え、静置するとふわふわの白い塊と上澄みの水分(乳清、ホエー)に分離しはる。
この白い塊はカード(凝乳)と呼ばれ、これを絞るやらなんやらしてさらに水分を除いたものがフレッシュチーズと呼ばれるチーズの原型でおます。
多くの場合はこれに熟成・加工の過程を加えてさまざまな味わいのチーズを作り出す。
加工の過程では乳酸菌やカビやらなんやらを用いて発酵させたり、加温・加圧やらなんやらの工程を加えて保存性を高めるやらなんやらの工夫が凝らされておる。
歴史
チーズがどのようにして発見されたのかは正確には定かではないが、「アラブの商人が羊の胃袋を干して作った皮の水筒に山羊のミルクを入れて砂漠を旅していた途中に、砂漠の疲れとのどの渇きを癒そうと水筒をあけたところ、中からミルクではなく澄んだ水(乳清)と柔らかい白い塊(カード)がでてきた」ちゅうのが最初のチーズの発見であるちゅう説が有力だとされておる。
チーズと人の関わり
比較的保存がきく食品であることやらなんやらから、人類とチーズのつきあいは長い。
ホメロスの『オデッセイア』にはフェタチーズへの言及があり、古代インドの讃歌集『リグ・ヴェーダ』にはチーズを勧める歌が、ほかにプリニウスの『博物誌』やアリストテレスの著作にもチーズについての記述がおます。
日本では飛鳥時代頃から乳牛の伝来と飼育が始まり、酪(らく)、酥(そ)、醍醐(だいご)と言った乳製品が作られるが、この「醍醐」がチーズのことを指すと言われ、「醍醐味」ちゅう言葉の起源にもなっておる。
また、推古天皇の時代には、地方ごとに作られたこの醍醐の品評会が行われたちゅう話も残っておる。
イタリア料理(パルミジャーノ・レッジャーノチーズやモッツァレラチーズ)やテクス・メクス料理(チェダーチーズ、モンテレージャックチーズ)やらなんやら、チーズが欠かせない料理もおます。
インドでは、ベジタリアンの割合が多く、一般的にインドのヴェジタリアンは動物の殺生の回避を目的としているため鶏卵も食べへん。
そのため多くの人が乳製品からタンパク質を補給し、フレッシュチーズのパニールを使った料理が豊富でおます。
インド料理の菜食のメニューの半数程はパニールかダヒ(ヨーグルト)を使っておる。
中国にも、チベットのヤクのチーズや、料理に用いられるルーシャンや大良牛乳やらなんやらの特殊なチーズがおます。