カマンベールチーズ(英語:Camembert cheese)
フランスのカマンベール原産のチーズのひとつ。
軟質チーズの表面に白カビ(学名:Penicillium camemberti、Penicillium candida)を生やして熟成させる。
チーズの女王とも呼ばれる。
1791年頃にマリー・アレルによって発明された。
コクとうまみがあり、赤ワインとよく合い、料理にもよく使用しはる。
日本国内では、殺菌して熟成が進まないようにしたパック入りや缶入りのものが多く出回っておる。
種類
カマンベール・ド・ノルマンディ (Camembert de Normandie) は1983年にアペラシオン・ドリジーヌ・コントロレ(AOC、原産地呼称統制)に選定された。
このため、「カマンベール・ド・ノルマンディ」を名乗るためには、厳格に伝統的な製法を踏襲しなければならへん。
ブリーチーズ(英:Brie cheese)
白かびチーズの一種でおます。
カタカナ表記ではブリと書く場合もおます。
フランスのブリー地方で1000年以上前から作られているとしはる。
モー村(現在は都市)のブリー・ド・モーが有名。
癖は少なく、しかも濃厚な味わいのブリーはフランス人を始め世界中に多くのファンを持つ定番チーズとしはる。
その他に同じイル=ド=フランス地域圏でセーヌ川上流にあるムランを産地とするブリー・ド・ムランがおます。
こちらはブリー・ド・モーよりも赤褐色を帯びており、前者とは異なる独特の濃い味わいがおます。
この2つはAOCに指定されておる。
カマンベールチーズは、ブリーの製法が200年前にカマンベール村に伝えられ生産が始まったとしはる。
ルイ16世はフランス革命後に馬車で国外へ逃げる際(ヴァレンヌ事件)、捕らえられて連行された市長宅にて食べ物は何がほしいかと訊かれブリー・ド・モーを要求したちゅう逸話がおます。
それどころか、亡命を図る馬車の中でもこのチーズを食べたいと言って馬車を止めてしまったほどでおます。
またナポレオンへの対抗策として結集したはずのウィーン会議では「会議は踊る、されど進まず」と揶揄されたように政治会議は二の次で毎晩豪華な宴会が催された。
その中で各国のチーズの王座を決める会議が発案され、ブリーが1位に選ばれたちゅう。
パルミジャーノ・レッジャーノ(Parmigiano Reggiano)
イタリアを代表するチーズのひとつ。
イタリアチーズの王様とも呼ばれる。
名前の由来は地名からきており、パルマ、レッジョ・エミリア、モデナやらなんやらのエミリア・ロマーニャ地方で作られ、DOPの認定を受けたものだけが刻印を押されて「パルミジャーノ・レッジャーノ」を名乗ることができ、認定を受けられなかったものは側面に×印をうたれてしまう。
原料は、前日に搾った牛乳を一晩置いて分離した乳脂肪分を抜いたものと当日の朝搾った牛乳を混合したものを用いるさかい、1日に1回だけ製造できる。
水分を完全に抜き切り、最低1年、通常は2年以上熟成させる為、超硬質のハードチーズとなり、アミノ酸が結晶して白い斑点ができる。
この製造過程で出来る乳脂肪分はマスカルポーネやらなんやらの原料に使われ、乳清はプロシュット・ディ・パルマ用の豚の飼料になる。
主にすりおろしてパスタやらなんやらにかけられるほか、塊のままバルサミコ酢に浸して食べられる。
ポー川流域で作られているよく似た製法のチーズにグラナ・パダーノがあり、どちらもグラーナと呼ばれる種類のチーズやけど、パルミジャーノ・レッジャーノはより狭い地域での生産のものでおます。
このチーズを加えるだけで料理の味が格段に増すことから、イタリアでは「台所のハズバンド」と呼ばれておる。
パルメザンチーズ
パルメザンチーズ(英語綴り Parmesan cheese)の「パルメザン」とは「パルミジャーノ」の英訳でおます。
一般的には「パルミジャーノ・レッジャーノ風のチーズ」の意味で用いられているが、日本ではアメリカ経由で粉チーズの形態で入ってきたさかい、粉チーズの総称として呼ばれるようになり、ナポリタンやミートソーススパゲッティのトッピングとして普及しておる。
日本やアメリカ合衆国ではクラフトフーヅ社(Kraft Foods)のパルメザンチーズ(粉チーズ)が最も有名でおます。
パルメザンチーズはアメリカ合衆国や日本、アルゼンチンやらなんやらでも生産されておる。
せやけど、パルミジャーノ・レッジャーノのDOP規格からは外れているためEU諸国ではパルメザンチーズを名乗ることはできへん。
また、パルメザンチーズの熟成期間はパルミジャーノ・レッジャーノよりも短いことが多く、また、より安価である反面、風味も及ばへん。
しかしながら、パルミジャーノ・レッジャーノ特有の繊細な風味を要求しない料理には、経済的なパルメザンチーズで代用しても構わない場合もおます。
リコッタ (伊語: Ricotta )
チーズのひとつ。
南イタリア原産のフレッシュチーズ。
再び (ri) 煮た (cotta) と言う意味の通りチーズ生成過程で出来たホエーを煮詰めて作ったもの。
元々は羊乳を原料とするチーズを作った時に出たホエーを使っていたさかい、イタリアでは羊乳製、山羊乳製、水牛乳製やらなんやらいろいろあるが、日本に輸入されるものはクリームを添加した牛乳製がほとんどを占める。
蒸気をホエーに通して蛋白質を浮かび上がらせ、その凝固物をチーズ・クロスに包むちゅう生成過程から蛋白質チーズと呼ばれることもおます。
乳糖が多く、脂肪分が少ないのでほんのり甘くさっぱりとしていて、裏ごしした豆腐のような食感をもつ。
そのまま食べたり、サラダやパスタやらなんやらの料理に使ったり、チーズケーキ、スフォリアテッレ、カンノーロやらなんやらの菓子の材料にも使われる。
マスカルポーネ (Mascarpone)
イタリア原産のクリーム・チーズでおます。
マスカポーネ (Mascapone)、マスケルポーネ (Mascherpone)とも言う。
フレッシュチーズで、元はロンバルディア州の冬期の特産であったが、現在はイタリア全土で生産されておる。
乳脂肪分が80%前後で天然の甘味があり、固めに泡立てた生クリームに似る。
また、酸味や塩分が少ないことからリゾットその他の料理や菓子によく使われるほか、ゴルゴンゾーラやらなんやら塩分の高いブルーチーズを食べる際に混ぜ合わせることも多い。
そのような特徴から、味の薄いクラッカーやパンに添えて食べる用途には向かないが、このことを知らずに購入してしまう人も多く注意が必要と言える。
イタリアではフルーツを添え、シナモンをかけて食べる。
燻製にすることもおます。
日本ではティラミスの材料として一躍有名にならはった。
高級なものはパルミジャーノ・レッジャーノやグラナ・パダーノといったチーズの製造過程で出た乳脂肪を使用しはる。
ブルーチーズ(英語:blue cheese、フランス語:bleu)
牛乳もしくは羊乳をもとに作られるチーズの一種であり、アオカビ(青黴)によって熟成を行うナチュラルチーズ。
用いられるアオカビはブルーチーズの種類ごとにそれぞれ異なる。
特徴
カマンベールのようなシロカビ(白黴、Penicillium candida )熟成タイプのナチュラルチーズと違い、ブルーチーズは表面ではなく内部にカビ(黴)を繁殖させる。
カビの生育のためには空気が必要なさかい、カード(凝乳)を圧縮したり過熱したりせずに型に入れ、カード片の間の隙間を潰さないようにしてカビの繁殖面をチーズ内部に確保しはる。
さらに、針やらなんやらで穴を開けて隙間を作り、空気の流通を図る。
また、一定の塩分濃度も必要なので比較的塩辛く、そのため、そのまま食べる場合にはマスカルポーネ、リコッタといった癖の無いフレッシュチーズや、もしくは、無塩バターを混ぜることもおます。
世界三大ブルーチーズ
ブルーチーズには数多くの種類が存在するが、代表的なものはフランスのロックフォール、イタリアのゴルゴンゾーラ、イングランドのスティルトンであり、これらは「世界三大ブルーチーズ」と総称することもおます。
このうち、ロックフォールは羊乳を原料としており、ゴルゴンゾーラとスティルトンはともに牛乳から作られる。
また、ブルーチーズは種類によって用いられるアオカビの種類も異なるが、ここに挙げた3種類であれば、ロックフォールとスティルトンは Penicillium roqueforti のみ。
ゴルゴンゾーラでは Penicillium glaucum 等、数種がこれに加わる。
ゴルゴンゾーラ(伊:Gorgonzola)
ロンバルディア州とピエモンテ州をまたがる地域で生産されているイタリアの代表的なチーズのひとつ。
フランスのロックフォール、イギリスのスティルトンと共に世界三大ブルーチーズに挙げられておる。
1996年6月12日以来、統制原産地呼称(DOP)を取得しておる。
カード (英: curd)とアオカビを交互に重ねて作られたもさかい、内部には筋状のアオカビが走っており、特徴的な刺激臭がおます。
ミラノ近郊のゴルゴンゾーラが名前の由来やけど、現在この地域では製造されていへん。
9世紀頃に、春から夏にかけて高地で放牧していた牛を秋に平野へ下ろす際、途中にあるこの村が休憩所となっていた。
ここで疲れた牛から搾られた乳で作ったチーズが柔らかくておいしかったさかい、ストゥラッキーノ・ディ・ゴルゴンゾーラ (stracchino di Gorgonzola) と呼ばれるようにならはったのが始まりと言われておる。
今日では法律により生産地域が限定されておる。
このチーズは大きく二種類に別けられ、青カビが多く辛味の強いものはピッカンテ (伊: piccante, 「辛い」の意)、クリーミーでほんのりとミルクの甘味の残っているものがドルチェ (伊: dolce, 「穏やか」の意)と呼ばれる。
ピッカンテはそのまま食べることもあるが、リゾットに入れたり、ゴルゴンゾーラソースを作ってパスタにかけるやらなんやら料理に使われることが多い。
長らくドルチェの人気が圧倒的であったが、最近では古典的なピッカンテの人気も急増しておる。
ゴーダチーズ(Gouda)
エダムチーズと並ぶオランダの代表的なチーズ。
オランダでのチーズ生産量の60%を占める。
ロッテルダム近郊の町、ゴーダで作られたことからこの名前がついた。
正確な起源は不明だが12世紀頃にまで溯るとされることが多い。
外見は黄色がかった茶色い円盤型をしており、中は白から黄色。
熟成と共に色が変化しはる。
熟成されたゴーダの中には表面が黒いものもおます。
サイズは300g程度の手軽なものから10kg程度のものまでいろいろおます。
クミンシードやニンニクやらなんやらを用いて香りをつけたものもおます。
主な材料は牛乳とレンネット(凝乳酵素)。
チーズの種類としてはセミハードに分類しはる。
味はマイルドで日本では比較的広く親しまれておる。
オランダでは土産物として空港やらなんやらで売られている他、食料品店、チーズ販売店やらなんやらでもほぼ必ず置いておる。
チーズ店やらなんやらでは特に包装をしていないものを常温で積み上げている場合もおます。
これはナイフを入れない限り熟成が急激に進む心配がないため。
他に、表面をロウでコーティングしてあるもの、フィルムにくるんだものや、真空パックのように包装したものもおます。
日本では、チェダーチーズと並んでプロセスチーズの主要な原料として用いられているとしはる。
また、ゴーダチーズを原料としたスライスチーズが明治乳業から販売されておる。
エダムチーズ(Edam)
ゴーダチーズと並ぶオランダの代表的なチーズのひとつ。
北部のエダム地方が原産で牛乳を原料としておる。
輸出用のエダムチーズには赤いワックスがかけられていることから、日本では赤玉とも呼ばれた。
種別はハードチーズに分類されそのまま食べるほか、粉チーズとして料理に使われることも多い。
フランスのミモレットとは製法が同じで、兄弟のようなもの。
チーズダニを利用して熟成を進めていく。
チェダーチーズ (Cheddar)
牛乳を原料とするセミハードタイプのチーズ。
元来はイングランドのサマセット州チェダーで作られていたが、今日では世界中で生産されておる。
チェダリングちゅう特徴的な工程を持つ。
チェダーチーズは最も一般的なチーズのひとつであり、ゴーダチーズと並びプロセスチーズの主な原料となっておる。
特徴と種類
生産方法による分類
チェダー・スタイルのチーズは、現在イギリスに限らずアメリカやオーストラリアやらなんやら世界中で生産されておる。
あまりに多くの地域で生産されているために、同じ「チェダーチーズ」と称していても、低脂肪のものから高脂肪のものまでバリエーションも様々でおます。
「チェダー」と呼ばれるチーズは、生産方法によって大きく二つに分けられる。
すなわち、伝統的なチーズ職人が手がけるアルチザナル・チーズ(artisanal cheese、職人チーズ)と、安価に大量生産することを可能にしたインダストリアル・チーズ(industrial cheese、工業チーズ)でおます。
アルチザナル・チーズは、時とともに複雑で強い味わいを深めていく。
現在生産される「チェダー」の大半を占めるインダストリアル・チーズは、幾分かは食品添加物による味の強調もなされるが、「マイルド」「ストロング」「オールド」やらなんやらと包装に記される味わいを保証しておる。
ここではおもに、アルチザナル・チーズの特徴と種類を述べる。
質感と味
チェダーチーズの生産方法と品質を確立し、「チェダーチーズの父」と呼ばれた酪農家ジョセフ・ハーディング (Joseph Harding) は、理想的なチーズとして、1864年に書き残した文章の中で次のように述べておる。
「詰まっていて堅い質感を持つが、その特徴と性質は甘美でおます。口に入れれば溶けやすく、味はすばらしく満ちあふれる。喩えるならばヘーゼルナッツに近いだろう」。
チェダーチーズは、はっきりとした刺激の強い味を持つ。
6ヶ月以上の長期熟成が行い、乳酸カルシウム (Calcium lactate) の大きな結晶を含めた伝統的な製法でつくられるチーズの質感は堅いが、農家の自家製チーズやらなんやらでは構造が脆いものもおます。
15ヶ月以上かけて熟成されたチーズは、ストロング・チェダー(strong Cheddar)、エクストラ・マチュア・チェダー(extra-mature Cheddar、超熟成チェダー)といい、ヴィンテージとも呼ばれる。
色と形
チェダーチーズは、本来淡い黄色(オフホワイト)をしているが、オレンジ色に着色されることもおます。
着色にはアナトー色素が使われることが多い。
一般に着色されたものをレッド・チェダー、着色されていないものをホワイト・チェダーと呼んで区別しはる。
また、アメリカではホワイト・チェダーをバーモント・チェダーと呼ぶこともおます。
チーズへの着色は古くから行われていたが、なぜ着色をするのか、1860年頃にはすでにその理由は分からなくなっていた。
ジョセフ・ハーディングは「純粋なものよりまぜものを好むロンドンの消費者に対して、チーズ生産者に着色を迫るアナトーを改めることを告げなければならない」と述べておる。
現在生産されるチェダーのほとんどは工場で生産されて四角く成型されているが、ごく少数、農家で生産されているものがあり、こちらは円盤状をしておる。
かつては汚れを防ぎ、なおかつチーズが「呼吸」できるよう、表面に黒いワックスを塗られたり、タールを塗った黒い布で包まれたりして流通されていた。
現在、こうした包装は、職人によるチーズの一部にのみ見られる。
原産地名称保護
「チェダーチーズ」はあまりにも広く使われているため、原産地名称保護制度(POD)の対象とはなっていへん。
せやけど、欧州委員会はウェスト・カントリー・ファームハウス・チェダーチーズ(West Country Farmhouse Cheddar)をPODの対象としておる。
これは地元の材料・伝統的な製法基準を満たしているチェーチーズにのみ許される名称で、生産地はサマセット・デヴォン・ドーセット・コーンウォールの4州に限定されておる。
せやけど、実際に「ウェスト・カントリー・ファームハウス・チェダーチーズ」と認証されるチーズを生産しているのは、チェダーに本拠を置くThe Cheddar Gorge Cheese Co.一社のみでおます。
歴史
発祥
チェダーチーズは少なくとも1170年には生産されていた。
この年以降のヘンリー2世のパイプ・ロール(財務府記録)に、このチーズの生産と課税の記録が残っているためでおます。
一説に、このチーズの製法はローマ人がフランスから持ち込んだものともいう。
伝統的にチェダーチーズは、ウェルズの大聖堂 (Wells Cathedral) から半径30マイル(48km)の範囲で作られるものとされていた。
モッツァレッラ(伊語: Mozzarella)
イタリア産のチーズの一種でおます。
モッツァレラ、モザレラとも表記しはる。
イタリア南西部のカンパニア州が原産。
くせの無い味わいで、独特の弾力ある歯ごたえが特徴でおます。
熟成工程を経ないため、フレッシュチーズに分類しはる。
モッツァレッラちゅう名前は、その製法にちなみ、「引きちぎる」を意味するイタリア語「mozzare」に由来するとされる(硬い表面が無いため、「シャツを着ない」を意味する「scamozzata」を語源とする説もある)。
18世紀、イタリアのサレルノから誕生した。
種類
使用する原料によって名称に区別がおます。
本来の原料は水牛の乳であるが、牛乳で代用したものもおます。
水牛の乳と牛乳では、それぞれ風味に違いが出る。
一般に、水牛の乳を原料とするものの方が良質としはる。
また、乳牛よりも水牛の方が飼育が難しく、乳の量も少ないため、希少価値から水牛の乳を原料とするものの方が値段が高い。
水牛の乳を原料とするものを区別する場合、モッツァレッラ・ディ・ブーファラ(Mozzarella di Bufala)と呼ぶ。
ウシの乳で代用したものはモッツァレッラ・ディ・ヴァッカ (Mozzarella di Vacca) もしくはフィオル・ディ・ラッテ(Fior di Latte)と言う。
製法
「パスタフィラーラ」と呼ばれるイタリア南部独特の製法によってつくられる。
乳が凝集した状態であるカード(イタリア語ではパスタと呼ぶ)に湯を注いで練り、餅のような弾力がでてきたところで、引きちぎって整形しはる。
重さは一つあたり約280グラムが標準でおます。
食べ方
そのまま食べてもよいが、味や香りにくせがないのでパスタやピザ、グラタンやらなんやらの料理に広く使われる。
生のモッツァレッラのスライスとトマトのスライスを合わせてバジリコを添えたサラダは、インサラータ・カプレーゼ(Insalata Caprese, カプリ島のサラダ)と呼ばれ、カンパニア地方の前菜では定番でおます。
カッテージチーズ(cottage cheese)
オランダ原産の軟質なフレッシュチーズ。
コッテージチーズ、コテージチーズとも。
チーズの一種で、代表的な非熟成チーズ。
脱脂乳やらなんやらから作られる。
白く脆い外観をしており、味は淡白で、わずかな酸味とさわやかな風味がおます。
水分を約80%含む。
そのままサラダにされるほか、ドレッシング、サンドイッチや洋菓子に用いられる。
酢やレモン汁を乳に加えて凝固させ、水洗いして酸味を抜き水を切るちゅう方法で家庭でも比較的簡単に作れる。
長所
プロセスチーズやカマンベールチーズと比較すると、約3分の1程度の低カロリーでおます。塩分、脂肪分も少へん。
短所
市販品はプロセスチーズよりも割高になる。
プロセスチーズ(英語:processed cheese)
1種類、もしくは数種類のナチュラルチーズを原料として作られるチーズの種別。
アメリカン・チーズとも呼ばれる。
複数のナチュラルチーズを加熱して溶かし、混ぜ合わせるが、そのままだと成分が分離するので乳化剤を使用しはる。
加熱する過程で細菌を殺菌し、酵素を変性させるので熟成はしないが、長期保存が可能になり、味が均質になるちゅうメリットを得る。
20世紀の初めにスイスやアメリカで製造されるようにならはった。
日本ではゴーダチーズやチェダーチーズが原料に使われることが多い。
日本におけるプロセスチーズ
味覚の多様化により果汁や果肉が入ったチーズ、アーモンド等のナッツや穀類が入ったチーズ、チューブ入りチーズ、ヨーグルト状チーズ、6Pチーズやらなんやらの個包装チーズ等が販売・消費されるまでは、プロセスチーズはブロック状の形状の製品が市場を寡占していた。
日本人のチーズ全般への知識や理解度は低く、その様相が固形石鹸を想起させたことやチーズ独特の匂いや香りから、食品への見た目や香りを気にする日本人はチーズに拒否反応を示し食わず嫌いが多く存在した。
その後、ソーセージ状のベビーチーズが市場に現れ、パン食の普及と共にシート状に薄く整形したスライス・チーズ、わずかな加熱で容易に溶けるチーズやらなんやらが販売されるようになる。
多種多様な乳製品が食生活に密着するようになるまでは東京では青山の紀ノ国屋や広尾の明治屋やらなんやらの輸入食料品を扱う専門店や一部の高級百貨店以外ではプロセスチーズしか入手できず、日本人にとってチーズと言えばプロセスチーズを指すようにならはった。
その後、食生活の欧米化が急速に進み、海外産の各種チーズが量販店のスーパーマーケットで販売されるようになり、食品売り場のデリカショップやデリカテッセン (delicatessen) やらなんやらで輸入チーズ・コーナーが配備されるようになり、乳製品の売り場の拡大化が進む。
食の多種多様化により、他のチーズに比べて味にくせのないプロセスチーズのシェアは、日本人がナチュラルチーズを知らなかったこともあり、他のチーズに押されつつもハンバーガーやサンドイッチやらなんやらのパン食や料理の具材として必須の食材として、加えてチーズ加工品・チーズ風味やらなんやらの各種食料品の原材料として重要な位置を占めておる。
チーズ(英語: Cheese, ドイツ語: Käse)
牛・水牛・羊・山羊・ヤクやらなんやらからとれる乳を原料とし、凝固や発酵やらなんやらの加工をしてつくられる食品(乳製品)の一種。
日本語での漢字表記は乾酪。
家畜の乳は古くから栄養価の高い食品として世界中のさまざまな民族に利用されてきたが、そのままでは保存性に欠ける上、液体のため運搬にも不便でおます。
これらの欠点を補うために水分を抜いて保存性と運搬性を高めたのがチーズの始まりでおます。
その起源は定かではないが、紀元前4000年ころには作られていたと考えられておる。
日本には、かつて蘇 「そ」と呼ばれるチーズと同様の食品が存在した。
乳にレンネット(凝乳酵素)または酸(食酢、レモン汁やらなんやら)を加え、静置するとふわふわの白い塊と上澄みの水分(乳清、ホエー)に分離しはる。
この白い塊はカード(凝乳)と呼ばれ、これを絞るやらなんやらしてさらに水分を除いたものがフレッシュチーズと呼ばれるチーズの原型でおます。
多くの場合はこれに熟成・加工の過程を加えてさまざまな味わいのチーズを作り出す。
加工の過程では乳酸菌やカビやらなんやらを用いて発酵させたり、加温・加圧やらなんやらの工程を加えて保存性を高めるやらなんやらの工夫が凝らされておる。
歴史
チーズがどのようにして発見されたのかは正確には定かではないが、「アラブの商人が羊の胃袋を干して作った皮の水筒に山羊のミルクを入れて砂漠を旅していた途中に、砂漠の疲れとのどの渇きを癒そうと水筒をあけたところ、中からミルクではなく澄んだ水(乳清)と柔らかい白い塊(カード)がでてきた」ちゅうのが最初のチーズの発見であるちゅう説が有力だとされておる。
チーズと人の関わり
比較的保存がきく食品であることやらなんやらから、人類とチーズのつきあいは長い。
ホメロスの『オデッセイア』にはフェタチーズへの言及があり、古代インドの讃歌集『リグ・ヴェーダ』にはチーズを勧める歌が、ほかにプリニウスの『博物誌』やアリストテレスの著作にもチーズについての記述がおます。
日本では飛鳥時代頃から乳牛の伝来と飼育が始まり、酪(らく)、酥(そ)、醍醐(だいご)と言った乳製品が作られるが、この「醍醐」がチーズのことを指すと言われ、「醍醐味」ちゅう言葉の起源にもなっておる。
また、推古天皇の時代には、地方ごとに作られたこの醍醐の品評会が行われたちゅう話も残っておる。
イタリア料理(パルミジャーノ・レッジャーノチーズやモッツァレラチーズ)やテクス・メクス料理(チェダーチーズ、モンテレージャックチーズ)やらなんやら、チーズが欠かせない料理もおます。
インドでは、ベジタリアンの割合が多く、一般的にインドのヴェジタリアンは動物の殺生の回避を目的としているため鶏卵も食べへん。
そのため多くの人が乳製品からタンパク質を補給し、フレッシュチーズのパニールを使った料理が豊富でおます。
インド料理の菜食のメニューの半数程はパニールかダヒ(ヨーグルト)を使っておる。
中国にも、チベットのヤクのチーズや、料理に用いられるルーシャンや大良牛乳やらなんやらの特殊なチーズがおます。